技術と絆が試される『馬術』

自転車やボート、ラケットやクラブなどの道具を相棒として選手が競技に挑むというのは珍しくありませんが、その中でも異彩を放つパートナーを持つ競技が、動物の馬を用いた『馬術』です。古代から現代にいたるまで、人は馬と密接な関係を築いていて、古代オリンピックからすでに戦車競技(シャリオ・レース)と呼ばれる競技がありました。現代でも、「人馬一体」という言葉を表した馬術は、オリンピック競技として根強い人気を持った競技の一つなのです。

オリンピックの場合、男女別で種目はわかれておらず、個人と団体で競技に挑みます。このことから、大事なのは体力ではなく技術であり、参加する馬とどれだけ練習を重ねてこられたかが勝利への鍵ということがわかりますよね。たいへん賢い動物とされる馬ですが、騎手とどのようにコミュニケーションを取りながらレースをこなしていくのかが見どころと言えるのではないでしょうか。

そしてレース種目ですが、これは合計3つあり、1つ目は「馬場馬術」という得点を競うものになります。「常歩」「速歩」「駈歩」を基本に、定められた演技が行えるかどうかを評価する規定演技、定められた運動から構成し音楽に合わせ演技をする自由演技を行い、それぞれの運動に対する点数や、自由演技に対する芸術評価、そして演技全体への評価となる総合観察点などで合計点数を決めていきます。
2つ目の種目は「障害馬術」と呼ばれるもので、簡単に言うとこれは障害物レースとなります。コースが決まっているほか、こなさなければいけない障害物の順番なども決まっており、これらの順番を間違えてしまったり障害をこなせないと失格となってしまいます。またゴールにたどり着くまでタイムリミットが設けられており、このタイムを過ぎてしまった場合も失格です。
最後の種目は「総合馬術」となり、これは馬場馬術・障害馬術に加え、クロスカントリー競技を全て同じ人間と馬のペアでこなすというものです。3日間かけて行われます。クロスカントリーは、池や丸太など、自然に近い状態で障害が用意されており、数キロの距離に渡る障害レースとなっています。障害を前に物怖じしてしまわないか、馬の勇気や体力が問われるレースとなっていて、難易度の高いレースとされています。

ヨーロッパ圏が非常に強い種目ですが、今回は会場が日本と言うこともありますので、ぜひ日本の馬と選手に期待と応援をしてください!

Copyright(c) 2020年オリンピック・こんな競技があったんだ!?. All Rights Reserved.